ハチミツとクローバー

映画版を見てきました。夜勤明けでハチクロを見に行くといったら、同僚がマンガを貸してくれて夜勤中に読んでいたのですが、実はマンガ版は途中で話がややこしくなっていたから挫折していたのですけど、最後はよかったですね。この恋は無駄になってしまったかと思っていたけど、そんなことなかった、そんなことなかった・・・と泣く桜井(すでにいろいろ混じっている・・・)を感情投入して挑んだために、映画みてても号泣の私でした(笑)。映画版はまだ卒業までしなかったので、失恋+モラトリアムからの卒業という、マンガ版のようにダブルの悲しさが重ならなかっただけまだ楽しかったです。泣いたけどね。

ハチミツとクローバー 10 (クイーンズコミックス)

ハチミツとクローバー 10 (クイーンズコミックス)

この映画見たら美大に行きたくなるんだろうなー(笑)。実はこの映画、母校とか母校と似たような学校を舞台にしているので、いろいろな意味で懐かしかったです。花本会みたいな美大の研究室の飲み会みたいのに私は高校生のころから出入りしていて(実家の3軒向こうの某美大教授の家で絵を習っていた)、そのままなんだかんだいって大学に行ってもろハチクロみたいに絵の具やペンキや溶接や粘土にまみれて4年間過ごしていました。その当時は毎日朝の8時から10時まで学校にいて、文化祭とかでは徹夜したり泊り込んだりしたり、友達の下宿とかで朝まで飲んだり歌うたって近所の人に通報されたり、みんなどんな服にも絵の具がついていてきたねーよ自分らとかお互い笑っていたりして。私は才能はなかったけど、才能があるゆえに現実の世界で傷つきやすく、傷つきたくないために仲間内で引きこもって、仲間と認めた人には優しくてひと懐っこい人たちの中で勉強するのはすごく楽しかったです。そこが映画では美しくビジョン化されていましたね。そう、それは、優しい、柔らかい世界でした。
今ではまったく勉強してきたことと関係のない世界で生きていて、作品をつくろうなんてこれっぽっちも考えることはなく、ほかの人たちとは全然連絡をとっていなくて展示会とかに行く程度の交流しかないのですが、あの4年間は夢の国でくらしていたような貴重な体験だったと思います。私はいまではあいまいな事が好きではないので、あの生温い世界にもう一度戻りたいかといえば微妙ですが(笑)。

そういえば、あんなにみんなカメラを常に持っていて写真を撮っていたのに、みんなで集合した写真って残っていないなー。不思議なことに。